KACCO 対応事例

KACCOに寄せられたご相談や質問をピックアップし、対応例と併せて掲載しています。

補助金・助成金に関する相談事例



Q 今申請できる補助金や助成金はあるか

コロナ対策や支援としての補助金や助成金、給付金等、臨時的、一時的な補助金については窓口でお調べして回答しました。2020 年度事業の場合は京都市が10月に創設した「感染拡大防止と文化芸術活動の両立支援補助金」制度をご案内し、活用をお勧めしました。

助成金・補助金の情報は下記のWEB サイトにもまとまっています。

KYOTO ART BOX > サポート

HAPS > 公募・助成・レジデンス

ネットTAM > 助成金情報

公益財団法人助成財団センター > 助成金情報

契約に関する相談事例




Q 新型コロナの影響を受けた催しの中止や延期等の補償を盛り込んだ契約の結び方を知りたい


京都芸術センターと京都市が関わるその他の事業の契約書の情報を参照しました。いずれも案件ごとに個別に対応している状況でした。京都市文化芸術総合相談窓口では、ご相談内容に応じて、弁護士と連携して対応しています。また、ご希望の方には、相談員が面談に同席し、サポートします(その場合、初回の相談料を京都市文化芸術総合相談窓口が負担します)。

著作権に関する相談事例




Q 【相談者(アーティスト)】オークションサイトで、私の作品の画像を額装したものが「希少画集画」という名称で安価で販売されている(画集や展覧会のチラシから作品画像を切り抜いている)。出品を取り下げてほしいが、どのように対応すべきか。



【弁護士からのアドバイス】

まず、著作権を有しているのはアーティストです。仮に、この画像の元になっている作品を出品者が所有していても、著作者人格権はアーティストのもとにあり、アーティストに無断で改変することは原則としてできません。いずれにしても、本件は、出品者が作品を所有しているわけではないと考えられ、アーティストの同意を得ずに作品の画像を使用し、販売しているため、著作権侵害に当たります。出品を取り下げてもらうための対応方法は大きく2つあります。


① オークションサイトに削除を依頼する

権利を侵害されたとして削除依頼を行う。例えば「ヤフオク!」では「知的財産保護プログラム」があり、権利侵害の可能性がある出品物を発見した場合、違法性を証明できる資料を用意して、郵送で削除依頼する方法があります。ただ、出品者のアカウントが削除されても、別アカウントを作成して再度出品することもできるため、根本的な解決にはならない可能性もあります。


② 出品差止め請求

著作権者は、著作権を侵害した者に対して、著作権侵害行為の差止めを請求することができます。本件でも、著作権を侵害していることから、出品者を特定し、警告文を送る等して、出品の差止め(取り下げ)を請求することが考えられます。出品者が任意で取り下げに応じない場合には、裁判所に差止めの訴え等を提起することができます。

また、上記手続と併せて、「作品の販売価格に比べて非常に廉価で販売されることで経済的な損害が生じている」、あるいは「作品が安価で購入できるという認識が流布されアーティストとしての信用等が貶められるといった損害が生じている」等として、損害賠償請求を行うことも考えられます。



【相談者からの感想】

①の通り「知的財産保護プログラム」に郵送で削除依頼を申請しましたが、削除に相当しないとの簡素な返答で、解決しませんでした。②は個人的に気力と金銭面が必要なため、実行していません。当該サイトの対応には納得できませんし、権利を侵害され続けている怒りは消えませんが、個人で悩んでいるときに相談窓口で丁寧に対応していただき心強く思いました。こういった情報が共有されることで、同様の事例についても解決の糸口が見つかれば良いなと思います。



他分野の補助金に関する相談事例




Q 【相談者(アートスペース運営)】経済産業省「事業再構築補助金」の活用を考えているが、文化芸術の補助金等と要項の読み解き方が異なり、自分の事業が要件に当てはまるのかわからない。どのように事業計画を立てたらよいか、アドバイスがほしい。



【公認会計士からのアドバイス】

「事業再構築補助金」は新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。例えば、「新型コロナの影響で業績が下がっていたが、本補助金を得て事業を再構築することで業績がV字回復した」というストーリーが想定できます。採択時から1 年間程度の事業期間が設定されており、年度をまたいだ実施も可能です。

申請書作成のポイントは、市場分析(外部環境の観察)と自社の強み・弱みといった特性を事業計画に盛り込むことです。市場のデータやニュースソースを収集し、現状の課題に対してどんなノウハウや実績を活かして取り組むのかが書き込めれば、新しい取り組みの根拠となります。新規性要件等を満たした従来とは異なる事業の立ち上げが必要なので、従来事業を発展させていく取り組みの場合は「小規模事業者持続化補助金」を検討してみるのもよいでしょう。



【相談者からの感想】

補助金のポイントをわかりやすく説明してもらい、制度について誤解していたことに気づいたり、自分の事業計画書についても足りない部分を的確に指摘してもらい、より具体的な事業計画を練ることができました。文化庁と中小企業庁の補助金の性質や目的が異なることから、それぞれの視点から自分の事業について考える機会にもなりました。